桐生工業高校建築科 担当教員 佐々木 正純
平成12年度3年生 清水 隆
清水 碧
星野 裕美 |
天神町にある天満宮の社殿前から本町一丁目、2丁目と新川・錦町に至る2キロに及ぶ通りは、かつて、まちの経済の中心的役割を担い、その面影を今に留める土蔵をはじめレンガ蔵や板塀、それに黒瓦屋根と格子戸が本町一・二丁目には僅かではあるが残り、古き良き時代の景観を私たちに与えてくれる。平成12年、本町一・二丁目を「伝統的建造群や文化的遺産の保存、活用並びに継承を礎としてまちづくりの実践」を目的に、地元居住者やそれに賛同する人達で「本一・本二まちづくりの会」が設立された。其の事業内容は大きく分けて次の三分野になる。 |
桐生工業高等学校 建築科に何ができるか
桐生工業高等学校は天満宮の隣に位置し、古く400年の町並みを今に残す伝統ある町の一画にある。桐生「本一・本二まちづくりの会」の主旨に賛同し、地元の方々の協力を得ながら (1) 伝統的町並を形成している建築の調査 (2) 空き店舗活用の提案 を行うことにした。具体的には、地元建築家・空間工房を主催している大内氏の「消費する建築から活用する建築の重要性」の講義、「住宅調査の方法」等の教えをいただきながら、地元一丁目の早川氏の協力を受け、その敷地内にある空き店舗の実物調査に平成12年5月〜7月に行い、その後、生徒一人一人の感性による、店舗の設計に取り組んだ。ここにその調査のまとめと桐生工業高校建築科の生徒および教員の活用案を提案する。
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(1) 伝統的まちなみの保存と研究
(2) 空き店舗及び商業活性の研究・支援
(3) 地域文化等の研究
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桐生工業高等学校 建築科 平成12年度 3年生 清水 隆
ヘアーサロン Hair Arts
改装前の店舗を見たときには、とても古い建物だということが分かりました。まず、どんな建物にしようということですが、周辺には美容室がなかったので美容室にしました。外観は、できるだけ現状を生かしながら、シャープなイメージを与えられるように工夫しました。内装はガラスやアルミ材を使用し、今までのウッディな感じではなく、クリスタルな透明感のある空間にしました。店内は曲線を用い、床はアルミ材とアクリルで構成して床下が見えるようにしました。 |
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桐生工業高等学校 建築科 平成12年度 3年生 清水 碧
ギャラリー・フリーマーケットのお店 「美土里」
この店舗の近くには、天満宮があり毎月第一土曜日には骨董市が開かれる。又、その時には「買場紗綾市」も開催され市民だけでなく近在の多くの方が訪れ賑わう。この「紗綾市」に近接しているため、地元の人達が気軽に、様々な作品を展示するのみでなく、自分で作ったものなども販売したり、時にはフリーマーケットとして不要品の販売・交換もできるお店にしました。ギャラリー・店舗内は至ってシンプルにし、天井を張らずに木の味わいをそのまま残す、また壁を新しく張り真っ白にしました。ひと休みしたり、くつろげるような喫茶コーナーも設けました。このお店の名を「美土里」としたのは、この地域が古くからの街並みがまだ残り、「美しい土の香りがする里」であるからです。この雰囲気がいつまでも継承されることを願いました。 |
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桐生工業高等学校 建築科 平成12年度 3年生 星野 裕美
和菓子 「 和京 」
初めて、この建築を見、そして実測の調査をしていく中で、「和」のイメージがどんどん広がりました。そして、この空き店舗を「和菓子屋」にしようと考えました。和菓子の販売だけでなく、店の奥にカウンターや座敷を設けて、和菓子やお茶も楽しめるお店にしました。落ち着ける空間にしたかったので、窓を設けず隠家風にしました。天井は梁や木の板がいい味を出しているため、お店の天井はそのまま残しました。 |
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設計主旨 ・ デザインコンセプト
この空き店舗を「居酒屋」に改装するに当たり、この店舗の外観が「蔵ではないが蔵に似せたデザイン」を持っていることに注目し、デザインコンセプトを「蔵」とした。有鄰館の敷地内に入ると蔵群に囲まれた心地よい空間がある。これと同じように、この店舗に入ると、あたかもその内部に蔵が点在しその路地空間に入ったような錯覚を起こさせるよう意図した。蔵に囲まれた路地空間で仲間と酒を酌み交わす情景をイメージした。 |
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レストラン 「saya」 |
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