財団法人 大川美術館     OKAWA MUSEUM of ART, KIRYU

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須田剋太展によせて
大川 栄二

 須田剋太と云う画家は、1980年代に週刊朝日連載 「街道をゆく」の挿絵画家として著名を極め、その男くさい豪快なエスプリには私も当然興味を持ったが、如何せん松本竣介、野田英夫を巡る人間画家群の描く、どちらかと謂えば静謐な画趣とは凡そ違う山脈と覚え、近現代の異色画家であり乍ら当館収蔵は僅かグワッシュの抽象作品一点だけであった。

 然るに、その一点の作品が以外と美術館の潮流に調和し一つの存在感を示して居り、気になっている昨今、岡学芸課長が大島コレクションの存在を識り、当館では実質3回目の個人コレクション展として須田剋太展の企画を提示して来たのである。

 須田作品数百点に及ぶ大島コレクション胎生のユニークさ、特に須田剋太、司馬遼太郎との奇しき邂逅、どん慾を越える大島氏の「美術館創造への夢」を識ったとき、在館11年当館独特のSOFTを自分のものとしている筈の学芸課長に一切を任せるべく当展開催に踏切ったのである。

 私が識る須田剋太は、正に天衣無縫の画家と覚え、具象、抽象、立体、書と謂う分類を越え、皮膚感で描くような縄文人のエネルギーで“そこに山があったから”と自然に体当りし続けたようである。美学でなく肌で観る私の観賞眼によく似ているなど一寸親しみを感じ乍ら文献を寸見したら、彼の遺した言葉に“有名と無名なら無名に徹し切るのです。(中略)古いと新しいがある。古さ古典に徹底するのです。すると必ず前衛が生まれる。

上手と下手 下手に徹します。”(季刊銀花

 

第46号 1981年)とあり、松本竣介の言葉にも“堂々と下手な絵を描け。上手な絵を描こうとするから駄目。絵はクリエィティブのものがないと芸術でない。だけど裏に古典がなければ芸術でない・・・・”と全く同じことである。当り前の話かも知れないが私には嬉しい須田剋太の切口である。

 とにかく、凄いとしか云えぬ“オブジェ”である混沌の極のアトリエから生み出される諸々は、一種の化け者とも謂える。だが、ニヒルの仮面を破った強烈な精神性こそバランスと謂う美言の陰で、日本流に媚び総てがABOUTで逃げる昨今の日本だけにこの是非を改めて世に問いたいし、又本物に飢える若い人達に望外な影響を期待してみたいものである。

 尚、当事者である大島●氏また静子夫人は云うに及ばず、本展開催に深いご理解を賜り相当額の助成金協力を賜りたる、(財)花王芸術・科学財団及び小海町高原美術館に対し深意なる謝意を申し上げる次第であります。

       (理事長 兼 館長)

 

 

財団法人 大川美術館

〒376-0043 群馬県桐生市小曽根町3-69(水道山中腹) 
Tel:0277-46-3300 Fax:0277-46-3350
okawa-m@theia.ocn.ne.jp

開館時間:10:00〜17:30(入館は17:00まで) 
休館日:毎月曜日(月曜祝日の場合は火曜日)、年末年始
入館料:一般1000円、高大生600円、小中生300円
駐車場:水道山公園駐車場(無料)