50年にわたり、一巻して半具象的抽象絵画にこだわり、独自の造形表現を追求した武田 久(1921~1994)。その卓越した筆致と透明感は年を重ねるほどに洗練され続けた希有の画家である。著名画家のほとんどが、晩年になるほどに詩情を失うだけに、武田の豊かで人間的な人柄が偲ばれる。教職と画家という至難極まる両立を見事に成し遂げた市井の画聖を、埋没させぬ思いの展鑑。これだけの画家が何故ローカル画家に終わったのか、画壇志向の流れに埋没したためとも推察されるが、それだけ敢えてここに顕彰を世に問うものである。
なお、他に勤務校、宇都宮高等学校ギャラリーの大壁画制作を始め、バレエ衣装及び装置、各学校章、シンボルマーク、メダルなどのデザイン関連、新聞連載等の挿絵、さらに子供向け情操教育のスライドの創作など美術水準の向上にも大きな足跡を遺している。これら極めて多岐に亘る素晴らしい表現軌跡からも、武田の鋭い視点に着目する。あらゆる創作活動に常に真摯な態度で向き合った広大な人柄に光をあてる展観となる。
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展覧会名 第53回特別企画展
生命の絵画空間 武田 久遺作展
会期・会場
2002年4月2日(火)〜6月2日(日) 54日間
(月曜日は休館。月曜祝日の場合は開館、翌日火曜日休館)
10:00~17.30 (入館は17:00まで)
主催 財団法人 大川美術館
主な出品作品
武田 久 作 「三人の女」
武田 久 作 「いきもの(A)」
武田 久 作 「いのり(II)」