財団法人 大川美術館     OKAWA MUSEUM of ART, KIRYU

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アントニ・クラベ『ガルガンチュア物語』によせて
大川 栄二

 私がアントニ・クラベの名を知ったのは、約40年前の昭和35年頃、未だ浅く甘く明るい綺麗な流行画家作品に興味を持っていた頃である。社用で欧州出張の際に、ある先達から「今一番欧州で嘱望されている画家であるジャン・プーニとアントニ・クラベの気に入った小品があったら絶対買い求めるべきだ」と教えられ、勇躍と出かけたのだが、語学に弱い為に仕事が大変で、全くその余裕なく帰朝した。
だがその後、クラベはピカソの後継者といわれ、三越での国際形象展にもピカソと共に恒年出品し、私はピカソ以上の迫力でスペインの情熱と色彩に魅了され続けた。そして彼の代表作中の王様・戦士シリーズより、油彩、彫刻、版画など約10点を購入したのである。
特にその中で、確か昭和48年の梅田近代美術館での展覧会出品の、ロウ型一点物ブロンズ作品《顔》(本展出品作品)は、昨年他界された彫刻家・舟越保武氏が「あのブロンズは小品だがクラベの最高傑作だ。日本の為に君が国内に留めてくれたのか」と、興奮されたように握手され、舟越氏の若さと誉められた嬉しさに身を痺れさせたものである。
従って、クラべを一躍世界的に著名にしたと言われる、16世紀の大ベストセラー、ラブレー著『ガルガンチュア物語』の石版画挿絵本は、数年前にJ.A.Aオークションで発見し、歓喜して落札したが、「大人の絵本」と捉えて可能な限りの挿絵対比説明を付し、その他の幣館収蔵作品、協賛作品と共にしての初公開の愉しい試みとしたのである。
若い幣館学芸員のユニークな多面的切込みを期待し、私も来館者と全く同じ位置で待望している展鑑なのである。
日本でのクラベ紹介に貢献され、更に本展に何かとご協力頂戴せる吉井画廊主・吉井長三氏、並びに一筆を頂いた、クラベ愛好者で画家本人と旧知の間柄にある鈴木治雄氏(昭和電工株式会社・最高顧問、当館理事)に深く感謝する次第です。ありがとうございました。
(当館理事長 兼 館長)


 

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