■ 第61回企画展 「 ヒューマニズムの絵画 ベン・シャーン展 」


 ●会期:2004年3月31日[水]〜6月27日[日] 
 ●主催:財団法人 大川美術館
 ●開場:大川美術館・企画展示室


 ベン・シャーン(Ben Shahn/1898〜1969年)は、リトアニアのユダヤ系家庭に生まれ、少年期にニューヨークに移住し、アメリカで活躍した画家です。シャーンの作品は一言でいえば「ヒューマニズム」の作品であり、常に社会に目を向け、絵画を通して、戦争・迫害・差別・貧困・核の問題などの不正をえぐり出し、人々の生活を温かく見つめ続けました。
 また彼は、アメリカで活躍した当館の中心的画家・野田英夫と、ニューヨーク・ロックフェラーセンターの壁画制作を一緒に手掛けたこともありましたが、野田、さらに野田が大きく影響を与えた当館の最重要画家・松本竣介とも、同じ「人間性」を追い求めた絵画を描き続けたという点で共通しています。彼らの根底にあったのは、自らも戦争や民族迫害、世界恐慌など絶望の体験の中にありながらも、人間に対するあくなき信頼を希求し続けたという姿勢です。常に人間を信じ描き続けた竣介を中心とした当館において、ベン・シャーンのヒューマニズムの根底にあったものは何かを探る試みが今展です。 
 シャーンは「第五福竜丸事件」をシリーズとして描いたことで、日本人にもよく知られ、また彼自身も日本を愛しました。今展にも、この事件を描いた一点《なぜ?》が出品されます。今年2004年は、1954年の事件から50周年に当たる節目の年です。
 大川美術館の収蔵作品は、小規模ながら1930年代から晩年の1968年まで、また技法も多種にわたり、彼の画歴をほぼ網羅するものとなっています。今展では所蔵作品を中心に、油彩、テンペラ、水彩、素描、版画など約50点の展示により、シャーンの追求した人間性の表現に迫ります。またシャーンは広く大衆に開かれた絵画「壁画」も数多く手掛けており、今回は貴重な習作も出品されます。


●学芸員による作品解説(ギャラリートーク):毎週日曜14:00〜(20分程度)
●同時開催:常設展「松本竣介・ピカソを巡る国内外の画家たち」
        特集展示: 茂田井武「トン・パリ」(約20点) アメリカンシーンの画家たち(約20点) 


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